白雪千夜「足りすぎている」
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250:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 23:40:36.07 ID:1/ZkFkMM0
「……話の続きを」

 これ以上、この人に自嘲じみた心持ちになってほしくなくて、話を促すと、「あぁそうそう」と胸の前で手を合わせた。

「千夜ちゃん、あの人から話、聞いた?」


「……私は、何も聞いていません」
「千夜ちゃん、ダメだなぁ」

 今度は、口元に手を当てて、クックッと忍ぶように笑う。

「誰からの、どんな話なのかをまず私に聞かなきゃ。
 そんな答えじゃあ、聞いたと言ってるのと同じでしょう?」

 得意げに講釈してみせる彼女に、私はかぶりを振る。

「本当に、何も聞いていません。
 私が思うにあの人は、自分からは本音の話をしない人かと」
「そうだね」
「ですが」


 先日の、常務室での最後のやり取りを思い出して、知らず口角が上がる。

「あの人は正直で多弁です」

「……ぷっ。アハハ。千夜ちゃんも言うようになったねー♪」

 ケラケラと楽しそうに笑うのを見ると、やはりこの人は、私が知るお嬢様なのだなと思う。



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