白雪千夜「足りすぎている」
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249:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 23:36:19.32 ID:1/ZkFkMM0
「そういえば、千夜ちゃん」

「あ、いたいた。ちとせさん千夜ちゃん、ちょっと皆でMCの……」

 李衣菜さんの真っ直ぐな声が聞こえた瞬間、それはテキトーな調子のあの人に遮られた。

「ワァオ☆ 見てみてリーナちゃん、あそこにチョーアバンギャルドなパリジェンヌがいるよー!」
「えっ!? どこどこ……ってあれ鏡じゃん! 宮本フレデリカちゃんじゃん!」
「ンー? あっ、ホントだーどうりでどこの下町育ちかと思ったよー♪ ……あれれ?」
「フレちゃん、スカートのボタンが取れかかってるね」
「あーん、リーナちゃんの気配り大臣☆ それじゃ、一緒に衣装さん探そ探そー! イショーサーン♪」
「ちょ、何で私が……もうしょうがないなぁ、衣装さぁーん?」
「イショーサーン♪」


 賑やかなやり取りが続き、ほどなくして、彼女達の声は聞こえなくなった。


「……ああして、いつも気遣ってくれるの」

 私と目を合わせ、フフッと笑いかけてみせる。

「さっきの杏ちゃんといい、優しい子達だよね……ポッと出で、皆に迷惑しか掛けていない私にさ」



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