211:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 19:24:03.68 ID:1/ZkFkMM0
少しの間が置かれた後、岩のような顔が少し柔らかくなった気がした。
「スカウトの際、あなたの笑顔を咲かせてほしいと、とある方にお願いをされました」
「ちとせさんが?」
あっさり見破られてバツが悪かったのか、首の後ろを掻いたのち、ソイツは続ける。
「私は、アイドルの本質は笑顔にあると考えています。
そして、私はあなたの笑顔が見たいと思いました」
「……それだけの理由で、私を?」
「それさえあれば、私には十分です」
――まったく。
「馬鹿ですね、お前は。アイドル馬鹿です。ばーか」
薄々勘づいていた事ではあったが、どうやらコイツは本物らしい。
鼻で笑い、資料とヘッドホンを手に取った。
「曲は、この資料の順ですか? お願いします」
「はい」
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