白雪千夜「足りすぎている」
1- 20
187:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:54:29.92 ID:1/ZkFkMM0
「……お嬢様」
「お嬢様、も止めよう?」

 フフッ、と肩を震わせて、お嬢様は照れ臭そうに鼻をかいた。


 お嬢様も、非常な覚悟で今日を迎えたのだな。
 かつては自分のものにすることで守ろうとした私を、今日、お嬢様は手放す決意をした。

 私に、自立を促すために――。


 改めて、目の前の不格好なハンバーグを見つめる。
 この施しを受ければ、私はこの家の従者ではなくなる――。

「もう冷めちゃったかな。長々と話し過ぎちゃった、ごめんね」
「いえ」

 私はお辞儀をして、手を組んだ。

「いただきます」


 それまでのやり取りもあり、おじさまも、アーニャさんもアイツも、私が最初に手をつけるのを待っているようだった。

 ひょっとしたら、これが最初で最後になるかも知れない、お嬢様の手料理。
 その味は――。

「どうかな?」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
301Res/285.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice