白雪千夜「足りすぎている」
1- 20
181:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:35:25.56 ID:1/ZkFkMM0
 着席した私達の目の前に、料理が並ぶ。
 と言っても、ワンプレートだけだ。スープも、ご飯やパンすらも無い。

「これだけかい?」

 おじさまが訪ねると、お嬢様は悪びれずに「うん」とだけ答えた。


 お嬢様の手料理――ついぞ記憶に無いが、想像していたものとあまり変わりは無かった。

 お祝い事の時にしか使わない高級なお皿には、所々焦げたり崩れたりした、頼りないハンバーグが乗っている。
 あまり煮詰めていないであろうソースもベチャベチャで、付け合わせのニンジンやクレソンも何だか素っ気ない。
 アーニャさん達のものと比べても、盛りつけの見栄えはそれぞれ皆バラバラのようだった。

 だから私がやると言ったのに――。
 いや、お嬢様の誕生日を忘れるという大失態を犯し、準備をできなかった私に、文句を言える筋合いは無い。

 ただ――。


「魔法使いさんも、ハンバーグお好きでしょ?」

 席に着かず、ニッコリ笑うお嬢様に対し、アイツは気まずそうに首の後ろを掻く。

「パパも、アーニャちゃんも……千夜ちゃんも、ほら、遠慮なくどうぞ♪」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
301Res/285.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice