14:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:12:27.40 ID:QXbKSZYO0
――?
妙だな。おじさまもお嬢様も、帰宅を報せるのに呼び鈴を鳴らすことはない。
また客人だろうか。こんな時間に?
玄関のドアスコープを覗き込むと、視界は真っ黒だった。
日が落ちたからではない。
この黒は――あの男のスーツだ。
三顧の礼といったところか。
だが、舌の根も乾かぬうちにやってくるとは図々しいにもほどがある。
私はつい、ドアを勢いよく開けた。
「言ったはずで……? ……!?」
「ただいまー、千夜ちゃん♪」
「夜分に、失礼致します」
ドアの前には、先ほどの男と――お嬢様が、並んで立っていた。
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