白雪千夜「足りすぎている」
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134:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:50:15.77 ID:1/ZkFkMM0
「そうですか」
「イズヴィニーチェ……ごめんなさい」
「何を謝ることが?」

 私はアーニャさんの隣に歩み寄り、手すりに手を置いた。

「アーニャさんに、お願いしたいことがあります」

「……チトセ、ですか?」
「はい」

 私は、プロジェクトクローネのメンバーに選ばれていない。
 希望すれば合流できる可能性もあるとアイツは言うが、選ばれた者とそうでない者がいるという事実が何を意味するのか、理解できないほど私は愚かではない。
 それに、シンデレラプロジェクトの皆を――。

 いや、それ以上を言うのは、決断をしたアーニャさんや凛さんに失礼だ。

「私よりも、アーニャさんの方がお嬢様と一緒にいられる時間が増えることが想定されます。
 どうか、お嬢様が無茶をなさるようなことがあれば、アーニャさんにも止めていただきたいのです」

 アーニャさんは、何も言わない。
 遠くに煌々と広がるビル群の光を、黙って眺めている。

「凛さんは、神谷さんや北条さんとのトリオユニットでの活動を予定されているとお聞きしました。
 お嬢様と同じソロ同士、アーニャさんであれば、お嬢様と同じレッスンを受けることも多いのではと思います」



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