白雪千夜「足りすぎている」
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106:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 01:02:52.20 ID:1/ZkFkMM0
 気の抜けた、しかし思いも寄らない意見が飛び出した方へ目を向けると、杏さんだった。

「え、あ……杏ちゃん、何言ってるのぉ?」
「要するにその常務って人は、杏達の活動の仕方に文句を言ってるだけで、アイドルとしての活動そのものを止めろって言ってるんじゃないんでしょ?」

 部屋にいる全員の、ともすれば非難にも似た視線を一身に受けながら、泰然としたものだ。
 愛用のぬいぐるみに埃がつかないよう、両手でそれを抱え、しかし怠そうに欠伸をかいている。

「働き方改革大歓迎。労働の効率化は良いことだよ。
 効率的ってのがローコスト・ハイリターンを意味するんだとしたら、346プロは即戦力を求めている。
 だから、一応の実力を獲得した杏達を簡単に手放すことはしないでしょ。杏は別に手放してくれていいんだけど」

「で、でも!
 シンデレラプロジェクト、一緒にやれなくなっちゃってもいいの!?」
「一生会えなくなるわけじゃないんだし、同じ仕事してればどうせまたいつか一緒になる時もあるんじゃない?
 そこまで悲観するような話じゃないと思うけど」



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