白雪千夜「足りすぎている」
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104:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 00:55:17.77 ID:1/ZkFkMM0
 プロジェクト解体の危機にある、とアイツから聞かされたのは、その日の夕方だった。

 346プロの事務所棟の地下。
 物置として放置されていた、埃まみれの部屋にメンバーの皆が集められた。

 ひどく無念そうに頭を下げ、険しい顔をしながら、アイツは口を開いた。

「先日、我がプロダクションのアイドル事業部に、新しい常務が着任しました」


 ソイツの話によるところでは、こういう事らしい。

 アイドル事業部の新たな統括重役として就任した美城常務というのは、会長の娘であること。
 親のコネや欲目によるものではなく、海外のグループ会社を立て直した辣腕ぶりを買われ、就任したらしいこと。

 業績が伸び悩む346プロの経営状況を一目した美城常務から、全てのプロジェクトを解体し、白紙に戻すとの宣言があったこと。


「ちょ……ちょっと待ってよプロデューサー!
 私達、最近すっごく調子良かったじゃん! まるで失敗してるみたいな言い方はヒドくない!?」

 未央さんの言い分は、もっともだと思った。
 いくら会社の代表に近い立場とはいえ、昨日今日来たばかりの人に、知った風な口を聞かれる筋合いは無い。

「もちろん、私も反論をしました。ですが……」

 曰く、これまでのプロデュース方法では、効率が悪いということらしい。
 会社の財政的な面だけでなく、この業務を司るスタッフ――すなわち、プロデューサーや事務員達にとっても。



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