11: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2019/11/20(水) 23:28:00.35 ID:PSNJgP6Z0
翌朝。
そうそう、地方ロケで少しだけ家を空けるのでした。
女性が旅行に行くときは、いろいろ持っていくものが多い、と言うけれど。
私は最低限の私服と化粧品ポーチ、お気に入りの本を用意するくらいで、小さめのバッグで十分。
ロケにはスタイリストさんもメイクさんも同行するし、基本はお任せなのです。
なので、ロケ用セットはいつでも準備している、仕事のできる、私。えっへん。
さて、それじゃあきゅーちゃんの仕上げといきましょうか。
「おめえら、覚悟しな」
私はコンロに鎮座するお鍋に、そう告げます。
そして……ご開帳。
「おお、これはこれは」
半日ほったらかしのそれは、そこそこいい色に染まってきていました。
ひとつつまんで、口に放り込みます。奥歯で噛めば、かりっと小気味よい音。
「……うん、まだまだね」
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