ライラ「大好きな背中」
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31:名無しNIPPER
2019/11/20(水) 00:12:58.99 ID:q4097vYe0
 と、その時、ちょうどトラックがだんだんゆっくりになって、今度はバックをしています。



 チャンスでございますよ。




 トラックはすぐ止まり、運転席から人が降りる音が聞こえました。


「あのー!運転手さーん!」


 必死になって声を出しましたが、誰かが反応してくれた気配はありません。

 やはり荷台の中で小さくなっている今は声が外から聞き取りづらいのでございましょう。

 やはり荷台からすぐに降りなくては。
 このまま気付かれなかったらもっと遠くへ運ばれてしまいそうですよ。


 はいはいをするように荷台の後ろへ近づいて
 恐る恐る顔を出して外を見渡しました。

 見覚えのない景色。
 周りは道路と荒れ地ばっかり。
 それでもとにかくまずは降りなくてはいけません。

 でも
 乗り込むときにはなんて事のなかったこの高さが
 降りる今となっては物凄く高く感じられました。

 荷台の縁に寄りかかって、体を少しずつ、少しずつ……




 何度目かの激痛の後、やっと地面にたどり着きました。
 
 荷台から降りるというたったこれだけの動作のはずなのに
 レッスン後のように息が上がって、随分と時間もかかってしまったです。

 でもこれできっと直接運転手さんとお話ができます。

 ですが、


 ガチャッ


 扉が開く音がしました。

 嫌な予感がするのですよ。


 足を引きずりながら慌てて車体の右側に回りましたが、すでに運転手さんの半身は見えなくなっていて



「あの、運転手さ―」



 バタン!


 ドアが閉まって



 キキキキキ、ブロロロロロロロン!





 トラックはそのまま走り去り、見知らぬこの地に取り残されてしまいました。
 





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