ライラ「大好きな背中」
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29:名無しNIPPER
2019/11/20(水) 00:07:16.48 ID:q4097vYe0
 
 バタン!



 思いがけない音、ドアが閉まる音。
 僅かに揺れた荷台に驚いて、一瞬体が固まって、そして



 キキキキキキキキキキ!ブロロロロロロロン!



 年季の入った金切音と、煤が香る轟音と。

 荷台が小刻みに揺れていて、止まった思考が揺り起こされて。



 やっと理解が追いつきました。
 そう、ライラさんの乗っているこのトラックが動き出そうとしているのです。




 このままではいけません。
 すぐに降りないと、でも。

 そんなライラさんの事情など全くお構いなしとばかりに、トラックは急発進しました。


 大きく視界が傾いて
 掴もうとした手からカーテンがすり抜けて。

 積み重なっていたパイプ椅子と同じく、ライラさんもバランスを崩して。






 大きな音がしました。



 バタンバタン、ガシャンガシャン。




 ライラさんが転んだことなど覆い隠すほどに大きな音。



 でも、運転手さんは気付いてもいないのでございましょうか

 何事もないかのようにトラックはどんどん走ります。


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