61: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:23:18.57 ID:6s/A4gNC0
今入ってくれていた私役と志保役の子が抜けて私たちに入れと言わんばかりに空間を作る。
そこは死刑台にも等しい場所に私は思えた。
あんなの出来っこない。
「あの、私たちの曲の振りはこんなに難しいものではないのだけど」
「え? じゃあせっかく用意したのが無駄になりますけど、
私たちはお二人の久々のパフォーマンスが成功するように
全力を尽くして良いものがテレビで放映出来るようにしたいだけなんですけど?
なんで出来ないんですか?」
この子、名前なんて言ったかしら。
レッスンスタジオでは私のことを知っていて
話しかけてきてくれた羽村さんは見当たらなかった。
最初から喧嘩腰なのがあまりにも見え透いていた。
この若い子たちの誘いに私は絶対に乗るべきではないし、
志保は言われっぱなしの私を黙って見ている。
でも分かる。長年見てきた彼女のことだから。
あの眉間のシワの寄り方、相当キレてるわね。
あなた、今でもその表情するのね。
146Res/93.99 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20