62: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:25:44.15 ID:6s/A4gNC0
「え? あの! じゃあ覚え直せって言うんですか?」
「エー、せっかく用意したのにー」
「っていうかほんとに練習してきたんですかー?」
「これくらい出来なきゃねぇ〜」
「ねぇ〜。わかる〜」
冷や汗が出る。
目の前の景色が少し歪んでくる。
そんな私を見かねた志保がようやく動き出す。
私の肩を強めにポンと叩き、前に出る。
「悪いけど、こんなのしてくれなんて頼まれてないの。
私たちも頼んでない。
あのね、私たちは昔懐かしいおばさん達なのよ。
昔の懐かしさを視聴者に味わって貰いたいの。分かる?
テレビに出続けたいんだったら、
自分たちのことを考えるのは多いにけっこうだけど、
見ている視聴者のことも考えましょう?
こんな変わり果てた曲を見ても何も思わないわ。
視聴者が見たいのは昔の、
あの曲を、
あの時の振り付けで、
変わらない歌声で、
老いた私たちが唄うところが見たいの」
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