9:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:27:51.44 ID:PR8wYl2Go
「それにしても、あずにゃんが何も変わってなくて良かったよ〜。反応は前より可愛くなってたけど」
「う、うるさいです。……でも、唯先輩もムギ先輩も、お変わりないようで良かったです」
「あ、でもねあずにゃん。ムギちゃんは大学生になってからたくさんバイト始めたんだよ」
「え、そうなんですか!?」
ムギ先輩を見ると、そうなのよ〜とこくんと頷き、
10:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:28:24.80 ID:PR8wYl2Go
「社会勉強をしたくてね。レジ打ちとか古本屋さんの棚整理とか、色々始めたのよ」
「いくつも掛け持ちしてるんですか、スゴいですムギ先輩!」
「褒めてもお茶は出ないわよ〜」
スゴいと言われて、ムギ先輩はとても嬉しそうでした。お金に不自由なんてしないのに、自ら進んで働くなんて、ムギ先輩は人がよく出来ています。
11:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:29:03.29 ID:PR8wYl2Go
「後ね、澪ちゃんとりっちゃんは別のサークルにも入ったんだよ。二人とも同じ『しいた』同好会なんだって」
「……角度同好会とは、かなりマニアックな集まりですね」
「ぷぷっ。あずにゃん、知ったかぶっちゃダメだよ〜」
ムカッ。確かにダメ元で言いましたけど……。
12:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:29:49.93 ID:PR8wYl2Go
唯先輩は得意気に続けます。
「あずにゃん、『しいた』っていうのはね、この詩のどんな所がいいかを調べたり、実際に作って見せ合いっこする所なんだよ」
「……唯先輩、その同好会、『しいた』じゃなくて、『しいか』だったりしません?」
「ほぇ?」
ムギ先輩の方を見ると、うんうんと二度首肯してくれました。
13:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:31:02.68 ID:PR8wYl2Go
「しかし、澪先輩はともかく、律先輩もそこに入ったんですね。意外っていうか……」
そう言うと、二人は示し合わせたかのように顔を見合わせて、ふふふと意味深に笑いました。
「何かあったんですか?」
「うふふ、そこにも健気なドラマがあるのよ。初めは澪ちゃんが、もっと詩の勉強をしたいってそのサークルに入ったのだけど、それを律ちゃんが聞いたら、その日の内に律ちゃんも入っちゃったの。『澪のポエムが暴走したらマズい』とか『人見知りが暴走して気まずくなった時の為に』って言ってたけど……」
「りっちゃんも素直じゃないよねぇ。二人のことはちゅーの一件で皆知ってるのに」
14:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:31:40.52 ID:PR8wYl2Go
「あの、私だけ話がついていけてないんですけど……」
そう言うと、二人の動きがぎくっと静止しました。
「あ、あれ、あずにゃん、何も知らない?」
「思い当たる節はありませんけど……」
「そ、そういえば、梓ちゃんはあの場にいなかったわね」
15:名無しNIPPER[sage]
2019/11/10(日) 22:31:59.93 ID:9e0/ywHE0
読み辛っ
自己満[田島「チ○コ破裂するっ!」]なら他所でやれよ
16:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:32:15.53 ID:PR8wYl2Go
「あの、私だけ話がついていけてないんですけど……」
そう言うと、二人の動きがぎくっと静止しました。
「あ、あれ、あずにゃん、何も知らない?」
「思い当たる節はありませんけど……」
「そ、そういえば、梓ちゃんはあの場にいなかったわね」
17:>>15 マス開けミスってました。スマソ
2019/11/10(日) 22:34:29.78 ID:PR8wYl2Go
そう思っていると、どこからともなく古典風な笛や太鼓の乾いた音色が聞こえてきました。きっとお神輿が担がれ始めたのでしょう。
「お祭り、始まったみたいですね
「あ、ほ、ほんとだっ! 早く行こうよっ、ね、ねね!」
「そ、そうね。私も久しぶりだし、ちょっとでも長く見ていたいわ!」
「ささ、早く行こあずにゃん!」
18:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:36:14.62 ID:PR8wYl2Go
夕方のふわふわした暖かさが街へ溶け出したからでしょうか、薄灰色だった雲は目を射差すような橙色に染まり、その日光と盆提灯、屋台からこぼれた白色蛍光が混ざり合って、その光景はまるで夢や思い出の一シーンのように、全景がぼんやり滲んだ、とても幻想的な風景でした。
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