尾頭ヒロミ「私が巨神兵の母親になります」安田龍彦「冗談ポイですよ、尾頭さん」
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7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/07(木) 21:59:05.51 ID:/nmY5k+wO
「矢口官房長官」

安田とのやり取りを終えて、尾頭は懇願した。

「どうか私にやらせて下さい」
「しかし、君は研究員で……」
「この巨神兵には私の細胞が使われています」

それは矢口にとって初耳だった。
驚愕と同時に納得する。だから母親なのか。
自らの細胞とG細胞を融合させて生み出した巨神兵を我が子と口にする尾頭ヒロミは、たしかに母親のような顔つきで、真摯に矢口に訴えた。

「この子だけは私の手で育てたいんです」

そこまで言われると、矢口は頷くしかない。
とはいえ官房長官には兵器運用の権限はない。
決めるのは総理の仕事だ。そう説明した。

「では、赤坂総理によろしくお伝えください」
「ああ、わかった」
「それで、矢口さん」
「なんだ、安田くん」
「敵はキングギドラですか? それとも中露?」
「キン………なんだって?」

立ち去る間際、安田がおかしな単語を口走る。

「キングギドラですよ。あのキンピカの」
「研究員の間ではそう呼ばれているのか……」
「彼が勝手にそう呼んでいるだけです」
「またまた尾頭さんだって満更でもない癖に」

北米大陸を消滅させた巨大生物兵器。
それを安田は『キングギドラ』と命名した。
その呼び名も含めて、官邸へと持ち帰った。


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