643: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2022/03/21(月) 05:09:40.23 ID:0Hx+2bE/0
男『…緋色?』
『………』ギュゥ
男『イタタタ待て待て折れる絞られる一旦落ち着け!な?』
パッ、と。明かりが廊下を照らす。
電力が戻ったのか?
急な光度の差についていけずに目が眩む。
徐々にハッキリとしてきた視界に映ったのは、体を縮こませ俺の右腕に必死にしがみつく緋色だった。
男『お、おい?』
『…』
震えている。だが先程の比じゃない。
そんなに怖かったのだろうか。
男『もう明かりは戻ったぞ。あまり俺とベッタリしているところは誰かに見られたくないんだろ?』
軽口を叩きながら緋色の頭に手を軽くポンと置く。
『!?』ビクッ
男『うおっ!』
猫のようにビクンと体が反応した。驚かせるつもりはなかったのだが。
『…課長?』
男『お、おう。どうし』
どうした急に、まで言えなかった。
それほどに衝撃的だった。
腕にしがみついたままこちらを見上げた緋色の、あまりにも血の気の引いた顔は。
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