641: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2022/03/21(月) 05:07:27.17 ID:0Hx+2bE/0
男『分かった。俺もちょうど寝れなくてな』
原因の究明は後回しだ。今はまず緋色を落ち着かせることを考えよう。
男『あーだが、その、いったんトイレ行ってもいいか?』
緋色『え?え、えぇ。いいわよ』
腰から手を放し、しかし一度も俺から離れずそのまま右手をぎゅっと掴んだ。
え、このままトイレの中までついてくる気じゃないよな?
かといって今離れてくれ等と言うと不安に押しつぶされそうな雰囲気もあるし、どうしたものか。
男『叢雲に頼んで一緒に寝てもらうか?』
緋色『い、嫌よ!そんなことしなくても私一人で、一人でも…』
少しでも明るくしようと茶化してみたが、一人という言葉を口にした途端不安になったようだ。
男『だが、艦娘になるならこれくらいの事で怯えていられないぞ』
緋色『!』
男『俺だって戦場に立った事があるわけじゃないから偉そうな事は言えないが、想像はつく』
昔見た演習を思い出す。
陸地にまで響く砲撃音。吹き上がる水しぶき。どれもそこにいるだけで圧倒されそうなものばかりだった。
緋色『そうよね。皆、そうやって戦っているのよね』
右手をつかむ緋色の手から力が抜ける。
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