640: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2022/03/21(月) 05:06:26.77 ID:0Hx+2bE/0
後はさっさと寝て、寝る努力をするか。
その前にトイレに行こうと廊下へ出る。
男「あれ?まだ起きてるのか」
緋色の部屋から明かりが漏れていた。
いつもならもう寝ている時刻だが、流石にうるさくて寝られなかったか。
男『緋色〜起きてるか?』トントン
少し気になったのでドアをノックし声をかけた。
普通の声量だったがこの騒音の中ならもし寝ている場合は起こさずに済むだろう。
などと呑気に構えていたのだが、
言い終わる直前で中で物音がした。
この嵐の中でもはっきり聞こえる程大きな、何かそれなりの重量の物が転がり落ちたような音が。
男『緋色!?』
壁か何かが吹っ飛んだんじゃあるまいかと思い急いで鍵を開け扉を開いた。
すると
緋色『ッ!』ギュゥ
ピンクの物体が凄い勢いで俺に抱き着いてきた。
男『ど、どうした?』
あまりの勢いに二歩後ろに下がってしまう。
コアラの子供のように腰にひしと抱き着いてきた緋色の頭にそっと手を置く。
僅かに震えている。
怯えている?
男『嵐、怖かったか?』
しまった、口に出すべきじゃなかったか。
こういう時原因なんかを本人に聞くとそれを思い起こして余計にパニックになると聞いたことがある。
緋色『怖い、でも嵐じゃないの。それに近い何かが、迫ってくるみたいで、明かりが消せないの…』
男『そうか、そうか。どうしたい?』
緋色『えっと、その…しばらく一緒にいたい、かな…』
周りの音で掻き消えそうなほど小さな声でそう言った。
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