忍野扇「だから忘れないでください。この愚か者」阿良々木暦「ああ……わかった」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/26(土) 22:26:20.29 ID:hAYTqdlSO
『僕が支えてやろうか?』
『えっ!? い、いいの?』
『ああ、安心して任せろ』

あの時、不安定な千石を僕は支えてやった。

「それで、腰に手を回したわけですか」
「ああするしかなかったんだよ」
「対戦相手を支えるなんて、愚かですねぇ」

もっともな指摘だ。あり得ない提案だ。
だが、あの時はああするしかなかった。
理由は定かではないがそう思ったのだ。

「そんなの簡単ですよ。少しでも長くゲームを続けたかったからに決まっているでしょう?」

そうなのだろうか。
そうかも知れない。
僕はもう自分自身のことが信じられなかった。

「私は阿良々木先輩のことを信じていますよ」
「愚か者を信じるなんて、君も変わってるな」
「いいえ、変わっているのはあなたです。だから、そんな奇人変人がこれから何をしようとも私は微塵も驚いたり動揺したりはしません」

奇人変人。奇妙で変わり者な、人間。
その表現が適切であるかどうかは不明だ。
そもそもの話、僕は人間なのだろうか。
吸血鬼もどきの人間なのか、果たして。
人間もどきの吸血鬼なのか、わからない。

「人間ですよ。叔父さんもそう言ってました」

忍野メメの言葉だけが人間性を保証していた。


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