サイタマ「お前って普段、パンツ穿いてないのか?」タツマキ「おやすみ」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/20(日) 21:23:31.89 ID:01arW23NO
「……ごめん」
「別に、気にしてねえよ」
「……ありがと」

謝罪の言葉も、感謝の言葉も久しぶりだった。
たまにはこうして素直になるのも悪くない。
スッキリした気持ちで、私は彼に甘えた。

「ねえ、サイタマ」
「今度はなんだ」
「前にA市に宇宙船が来たことがあったわよね」
「ああ、そういえばそんなこともあったな」

A市に巨大な宇宙船が襲来したその日。
私はヒーロー協会の呼び出しに応じてS級ヒーローの集会に参加していた。その場に彼も居た。
当時はまだB級の彼が何故あの場に居るのかを不思議に思い、あれこれ尋ねたのを覚えている。

「アンタあの時、宇宙船に何をしたの?」
「乗り込んで、船内を荒らし回った」
「やっぱり。さぞ迷惑だったでしょうね」
「宇宙人共は熱烈な歓迎をしてくれたぞ」

そりゃあそうだろう。侵入者の排除の為だ。
どうにかして彼を止めたかったに違いない。
私はあの時、地上から船底を攻撃していた。

あの時に感じた違和感。となると、やはり。

「あの宇宙船を墜としたのはアンタね」
「ああ、まあな」

ずっと気にはなっていたのだ。不自然だった。
私は宇宙船の攻撃により破壊されたA市の瓦礫を能力で持ち上げ船底にぶつけて攻撃していた。
ある程度の威力と効果はあったのだろうが、いかんせん打撃力不足だとそう感じていた。
しかし、船の上で幾度かの爆発が起こり、そして傾き、ついには宇宙船は地上に落下した。

周りのヒーローは私の攻撃によって宇宙船が堕ちたと言っていたが、彼の仕業だったのだ。

「どうやって墜としたの?」
「なんかバロスだかワロスとかいうボスっぽい奴と戦って、そいつを倒したら堕ちたんだよ」
「何よそれ。弱そうな名前ね」
「いや、あいつは強かったよ」

いつになく真面目な顔で、しみじみとそう語るサイタマの口調には賞賛が含まれていて、私はそのバロスだかワロスに対して嫉妬を抱いた。


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