333: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/02/03(月) 03:27:40.81 ID:L/MaCyf+0
女「あなたが抱えても、泣き声一つ零しませんよ?」
ケモノ「それはそうだが…」
女「…クスッ。あなた、この子のことになると奥手になりますよね。なんだか可愛いです」
女「忘れないうちに書いておきましょうか」
ケモノ「おい…!また日記というものか?俺の痴態など記録せずによいと言うに…」
赤子「……ぅー……」
ケモノ「む…何事だ?」
赤子「……」ウトウト...
女「もう眠いのですね。そろそろお昼寝の時間ですから」
ケモノ「そうか」
女「あなた、そのまま持っていて下さい」
女「……ねむれねむれや ゆらりゆられ」〜♪
女「たなびくくものごとし」〜♪
女「おやまもさともよるのなか」〜♪
女「はかなきゆめみんとす」〜♪
.........
赤子「」スー..スー..
ケモノ「…子守唄か。初めて聴くが、良い唄だ」
女「まだ私が幼い頃に母が教えてくれたのです」
ケモノ「さぞ優しい母親なのだろうな」
女「はい、それはもう……ですから、天が母を必要としたみたいで」
女「流行り病だったのですが、私が十くらいの時に逝ってしまったのです」
ケモノ「……」
ケモノ「こうして貴方を産み落としてくれた。それだけで俺は抱えきれない程の謝意を抱いている」
赤子「……」スゥ..スゥ..
ケモノ「この子と共に生きよう。それが我々に出来る恩返しだ」
女「……はい」
女「私が貰った愛を、次はこの子に…」
「……なんだあれは……何かの冗談か……?」
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