329: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/02/03(月) 03:23:04.35 ID:L/MaCyf+0
...ギュッ
女「あ…」
巫女「いいのよ、あなたは考えなくて」ナデナデ
巫女「残酷なことは全部私達に任せておいて。あなたは静かに暮らしてくれればいい」
巫女「…安心なさい。彼らを根絶やしにはしないから」ボソッ
女「!」
女「そ、それは…!」
巫女「……」ニコッ
巫女「さ、今日はもう帰りなさい。暗くなる前に戻れなくなるわ」
村長「そうじゃの。本当なら今しばらく寛いでいって欲しいものじゃが…」
村長「次の来訪を半年以内にすると言うのならば、止めはしまい」
女「お父様ったら…えぇ、約束します」
女「それではお父様、姉様、どうかお元気で」
巫女「女、あなたもね」
ガチャ…パタン
村長「……変わらぬな、あの子は。いつまでも心優しい女のままじゃ」
巫女「そうね。全てを愛することが出来るというのも、一つの才能だと思う」
村長「して、巫女よ。あれはどうなっておる?」
巫女「残念だけど、進展は無しよ。返事だけは返ってくるんだけどね」
村長「気難しいお方なのかのぅ…トドノツマリ様というのは」
巫女「それでも辛抱強く続けるしかないわ。あれをどうにかしない限り、私達に先はないのだから」
巫女「それに、胸騒ぎがするのよ」
村長「なんじゃと?」
巫女「覚えてる?一年前仕留め損ねた、例の獣」
村長「あぁ、そのような報告を受けたの。すぐに続報が来ると思っておったが…」
巫女「…逆よ。不気味な程音沙汰がない。捜索範囲も拡げてるはずなのにね」
村長「目立った被害も無いようじゃからの、気に留めておらなんだが…」
巫女「そういう問題じゃないのよ」
巫女「……汚らわしい……」
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