327: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/02/03(月) 03:17:33.65 ID:L/MaCyf+0
ーーー冬ーーー
ケモノ「………」
ケモノ「………」
ケモノ「…ふむ」
ケモノ「なかなかどうして、一人ならばこの家屋も広いと感じられるじゃないか」
ケモノ「……」
ーーーーー
女「──村へ、下りて行こうと思いますね」
女「──顔に出ていますよ。通例のことですから、心配いりません。時々顔を見せてやらないと父が煩いのです」
女「──では、行って参ります」
ーーーーー
ケモノ「………」
ケモノ「少し、寒い」
ーーー村ーーー
コンコンコン
村長「ん?誰じゃ?」
「お父様、私です」
村長「おぉその声、女か。さぁさ、入りなさい」
ガチャリ
女「お久しぶりです、お父様」
村長「実に一年ぶりかの。あまり待たせるものだから、使いの者を出そうか迷っておったところじゃ」
女「ふふっ、それはごめんなさい。忘れていたのではないのです」
村長「お前のことじゃからな。そろそろかとは思っておったよ」
村長「…して、無病息災、平穏に過ごせているのだろうな?」
女「はい。それはもう」
女「この通り、五体満足です」
村長「うむ……」
村長「……」ジッ...
女「……」
村長「……安心したわい」
村長「近頃、よく奴らの目撃報告を耳にするものでな。女の身に何か起こっておらぬか気が気でなくての」
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