少年「アヤカシノート」
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326: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/02/03(月) 03:16:05.09 ID:L/MaCyf+0
ーーー秋ーーー

女「見て下さいこの葉!赤、橙、黄、緑……ここまで多色が混在しているのは風情がありますね」

ケモノ「そうだな。だが」

スッ

ケモノ「これも、色数は少ないが映えていると思わないか?」

女「あら本当…!」

女「葉が色付いていく様は、いつ見ても良いものです」

ケモノ「毎年必ず訪れるものだが…見ていて飽くことはないのか?」

女「何をおっしゃいます。一日一日少しずつ姿を変えていく山を見るのはとても胸が躍るものです。一年で決まった期間しか見られないのです、飽くことはありませんよ」

女「…それに、誰かと見るこの景色は、また特別なものですから」

ケモノ「!…」

ケモノ「……そう、か」





『神無月 二十五

山があまりに美しく色付いていたものですから、ついその欠片を何枚か採ってきてしまいました。あの人も綺麗だと言って笑ってくれたけれど……あなたのその瞳に敵う葉は、一枚もありませんでしたよ。』







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