少年「アヤカシノート」
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277: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/01/14(火) 03:41:47.11 ID:hBUPAlst0

包帯少女(…ん、そっか。ぼくがここに居る意味なんて至極単純。というより頭のどこかでは分かってた)

包帯少女(この人がこんなだから、ぼくは放って置けなかったんだ)

包帯少女(見守って、側で過ごして、手を貸して……こんな風に成長してくれるのを見届けたかったんだろうな)

包帯少女「……ふふっ」

少年「………」

少年「…怒って、くれよ」

少年「自分を殺した殺人犯が、目の前に居るんだぞ!普通怒り狂うくらい──」



ピトッ(人差し指を唇に押し当てる)



少年「!」

包帯少女「そういうとこかな、ぼくが怒るのは」

包帯少女「全部自分が悪いと思い込むところ」

包帯少女「…少年君さ、ぼくを殺したいと思ったことがあったの?」

少年「あるわけない!そんなこと絶対思うもんか!…あの時はなんか、自分が自分でないような感覚で…」

包帯少女「そう。じゃ、許す」

少年「へ?」

包帯少女「それが聞ければ満足だよ」

包帯少女(水底に沈む間際見えたあの男)

包帯少女(今なら分かる。ぼくを突き落としたのは多分、あいつだ)

少年「少女、さん……」

包帯少女「あれ…泣いちゃう?」

少年「!…泣かない」

少年「強い奴は、泣き顔なんて見せないだろ?」

包帯少女「そうそう、その息だ」

少年(間違いない)

包帯少女(それにしてもこんな時に気付かされるなんて)

少年(やっぱり僕は──)

包帯少女(きっとぼくは──)





少年・包帯少女(この人のことが好きなんだ)







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