少年「アヤカシノート」
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276: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/01/14(火) 03:40:52.39 ID:hBUPAlst0

少年「ごめん、少女さん!僕は卑劣な嘘をついてた!きみとの関係が壊れるのが怖くて…!」

少年「でも結局僕が全部ぶち壊しにした!」

少年「きみから平穏な日常を奪っておきながら、平気な顔して居座り続けた人間が!!」

少年「……僕という奴なんだ……」

少年(弱い人間だ…僕は…)

少年(傷付くのを恐れ、傷付けるのを恐れ……最後には逃げ出す)

少年(その結果どうだ。結局こうして大切な人を傷付けている)

少年「ごめん……ごめんよ……!」

少年「僕は、きみに出会うべきじゃなかったんだ……」

包帯少女「……」

少年「……」

包帯少女「………」



包帯少女「知ってたよ」



少年「……え?」

包帯少女「今話してくれたこと。あの土曜日の出来事」

包帯少女「少年君に突き落とされて溺れたことも、全部ね」

包帯少女「嘘つきはきみだけじゃないの。ぼくも、覚えてないなんて嘘をついた」

少年「な…なんで…」

包帯少女「きみと同じだよ。ぼくだって少年君との関係を壊したくなかったから」

包帯少女「どうして生き返ったのかは、今初めて知ったけどね」クスッ

包帯少女「……少年君。色々言いたいことはあるけど、とりあえず」

包帯少女「きみを恨んではいないよ」

少年「…!」

包帯少女「確かに身体が痛んだり、怖い夢を見ることもあった。普通の女の子じゃなくなったような気がしたよ」

包帯少女「でもね、それ以上にきみと過ごすのが楽しかった。勉強は教え甲斐があったし、仲直りしてくれた時はすごく嬉しかったもん」

包帯少女「だからきみに日常をめちゃくちゃにされたなんて思ってない」

包帯少女「むしろあのまま死んでいたら、それこそ恨むよ。化けて枕元に出てたかもしれないなぁ」

少年「……………」

包帯少女「…ぼくはね、きみと出会えて良かった」

少年「──」

少年(……どうして……きみは、こんな)

包帯少女「こんな弱い自分が恥ずかしい」

少年「っ!」

包帯少女「とか思ってるんでしょ」

少年「…実際その通りだし…」

包帯少女「全然違うよ。だってこうやって、ぼくに洗いざらい打ち明けてくれたじゃない」

包帯少女「ぼくの知る以前の少年君だったら、その罪悪感を最後まで胸にしまったままだったと思う」

包帯少女「今、ちゃんと向き合ってくれた。きみは十分強くなってるよ」



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