少年「アヤカシノート」
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275: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/01/14(火) 03:39:33.61 ID:hBUPAlst0

包帯少女「ここまで酷い混み具合はさすがに予想外…」

包帯少女「悪かったよ、きみが居なくなってるの気付けなくてさ」

少年「……なんで少女さんが謝るんだよ」

少年「ぼくが、勝手に押し流されただけだよ」

包帯少女「…どうかしたの?」

少年「………」

包帯少女「少年君…?」

少年「…謝らなきゃいけないのは僕だ」ソッ

包帯少女「っ」ピクッ

少年「……こんな……包帯なんて……」

少年「ごめん、僕のせいで」

少年「少女さんを苦しめていたくせに、僕はそこから逃げてた…」

包帯少女「………」

少年「……」

少年「…僕がこの神社を訪ねた土曜日、覚えてる?トドノツマリ様の噂を確かめるだとか言って」

包帯少女「……うん」

少年「あの日、さ」

少年「実は僕だけじゃなくて少女さんも一緒にここに来てたんだよ。境内でトドノツマリ様が現れるか確かめて、でも何も出てこなかったから場所を変えてさ」

少年「…近くの池まで行ったんだ。そこで……そこで…………」

少年(……)

少年「変な声に唆されて……いやこれは言い訳だ」

少年「──僕は、きみを池に落とした」

少年「あまつさえそのまま逃げて見捨てようとした…!」

少年「僕はきみを殺したんだ!」

少年「きみが今生きてるのはきっと………僕がトドノツマリ様にお願いをしたから」

少年(そうだよ、社の前で泣き喚いてたあの時、思い返してみれば不可解な現象が起きていたじゃないか)

少年「少女さんを生き返して欲しいって願いを、トドノツマリ様は本当に叶えてくれたんだ…!」

少年「だけどきみは苦痛に苛まれた状態で戻ってきた。それは…願いの代償なのかもしれない…」

包帯少女「……」

少年「僕はさ、きみがあの日のことを覚えてないって言った時、好都合だと思っちゃったんだ」

少年「このままあの事が無かったことになれば……なんて考えてたんだろうね」

少年「何もかも少女さんに押し付けて自分は逃げようとして」

少年「それでも少女さんは僕のことを助けてくれた」

少年「また笑って、一緒に話をしてくれた…」

少年(……っ)



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