少年「アヤカシノート」
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272: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/01/14(火) 03:34:26.41 ID:hBUPAlst0

少年「………」

少年「…あの、ちょっとだけ相談してもいいですか…?」

眼鏡娘「?うん。私で良ければ」

少年「……」フリムキ

少年(……あの池は、向こうの方だったっけな……)

少年「例えば…」

少年「例えばの話ですけど」

少年「もし願いを叶えてくれる人が居たら……眼鏡娘さんだったら、お願いをしますか?」

眼鏡娘「…願い事?」

少年「はい」

眼鏡娘「神妙な顔で喋り出すから何かと思ったら…随分メルヘンチックな相談ね」クスッ

少年「理不尽に死んでしまった友達が居たとして」

眼鏡娘「…!」

少年「…その人を生き返して欲しいと願うのは、いけないことなんでしょうか…」

眼鏡娘「……」

少年「……」

眼鏡娘「……なくなった命はね、戻らないよ」

眼鏡娘「願いを叶えてくれるだなんて、そんな都合の良いものはこの世にないの。よしんばあったとしても、必ず犠牲が付いてくる」

眼鏡娘「おいしい話には裏がある、ただ程高いものはない…なんて言うでしょ?」

眼鏡娘「だから私ならそんなものには頼らないかな」

少年「そう、ですか」

眼鏡娘「…意外だった?」

少年「まぁ…少し…」

眼鏡娘「ふふっ。そうね、普通目の前にそんなチャンスが降って湧いたら、誰だって飛びつきたくなるよね」

眼鏡娘「少し前の私なら、迷わずお願いするって答えてたろうなぁ」

少年「…?」

眼鏡娘「ね、ちょっと可笑しな話」

眼鏡娘「私ついこの間までね、重力が嫌いだったの」

少年「え、重力…?」

眼鏡娘「そう。きみにも私にも産まれた時からずーっと降りかかってる重力」

眼鏡娘「重力のせいで転ぶし、重力のせいで気分が沈む……重力がまとわり付いてくるから息苦しいんだーって、うんざりしてた」

眼鏡娘「…けど違った」

眼鏡娘「重力が嫌いだったわけじゃなかった。いつも流されるだけで行動しようとしない自分が、嫌だったの」

眼鏡娘「それを重力のせいにしてたんだよね」



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