【のんのんびより】れんげ「転校生が来たのん!」
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27:学園長  ◆86inwKqtElvs[saga]
2019/10/04(金) 01:19:09.39 ID:QcZxi7T/0

 ――――

 くら、と眩暈がした

 身体に力が入らなくて、何か話したくても、声が出ない

 蛍が出て行って、車いすを持って入ってきて、それに乗せられているのに

 意識はあるのに、声はでない

 車いすに乗せられた私と後ろから押す蛍

 蛍はタクシーを呼んで、身体も動かず声も出ない私を人形のように持ち上げ、タクシーに乗せる

 行き先を告げるけど、それは言葉として聞き取れない

 それより、何をしようとしてるのか、聞きたいのに

 蛍は笑っているのに笑っていなくて、

 凄く苦しそうな顔をしているから、お姉さんとして――声をかけたいのに

 蛍の手が、私の髪をそっと撫でた

 とても優しく撫でられて、そんな場合じゃないのに、私はとても安らかな気持ちでいて

 そのまま意識が、暗闇の中に落ちていって、

 「ごめんなさい」の声だけが、最後まで聞こえてた




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