13: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2019/09/29(日) 01:21:57.62 ID:wEDTEyMZ0
「なあ桃子……。今、俺に見せてるのが、桃子のイメージする"妖艶"なのか?」
瞬間、しまったと後悔した時には遅かった。
俺に馬乗りになってた"吸血鬼さま"はみるみるうちに不機嫌になって。
「ちょっとお兄ちゃん、ムード壊さないで!」
刺々しく言い放った直後、その爪を獲物である俺の肩へと食い込ませて凄む。
「こういうの、最初の雰囲気作りが大事なのに。
……お兄ちゃんが茶々を入れたせいで、桃子の演技プランが台無しになったらどうするつもり?」
「でも、桃子に妖艶は正直無理があるよなって――あいたたたたたたっ!?」
「……なあぁんですってぇ?」
「いやっ、もっと、年相応な感じに……!
そもそも今度の劇の二人の役は、小悪魔みたいな可愛さを押し出す演出を考えてたし――」
肩に走る痛みに耐えながら反論すると、彼女は急に力を弱めて首を傾げた。
「小悪魔?」
眉をひそめてみせる桃子に対し、俺はコクコクと何度も頷きながら。
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