花音「千聖ちゃんとの、ちょっとだけ長い帰り道」
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6: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:14:14.89 ID:Du4y4HqP0
千聖「どうしたの?」
千聖(花音が何を言いたいかは分かっているけれど。花音の口から聞きたくて、意地悪な問いを投げかける)
花音「……もっと、してほしいな……」
7: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:14:42.81 ID:Du4y4HqP0
千聖(潤んだ瞳でねだってくる花音に私も耐えきれなくなって、抱き締める腕を強める)
千聖(青い髪に手を添えると、表情が期待に染まる。頭を撫でてあげると、笑顔を浮かべてくれる)
花音「わ……えへへ……」
8: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:15:29.50 ID:Du4y4HqP0
千聖(心が満たされていくのを感じながら、そのまま頭を撫で続ける)
千聖(数秒か数分か、撫で続けた頃。何かに気付いたかのように、花音の表情が少し曇る)
千聖(……誰よりも優しいこの子のことだから、きっとまた何かを我慢しているのでしょうね)
千聖「何かまだ、したいことがあるのでしょう?」
9: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:15:56.02 ID:Du4y4HqP0
千聖「……もう、仕方のない子ね」
千聖「大丈夫。離れたりなんてしないわ。私と花音は、ずーっと一緒よ」
10: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:16:21.99 ID:Du4y4HqP0
花音「えへへ……♪」
千聖(私のその答えに安堵したのか、不安が消え去った彼女の顔はまるで満開の桜のよう)
千聖(季節外れでも美しく咲く夜桜を見ながら、自分の心臓の鼓動が早くなっているのを自覚する)
千聖(高揚、しているのかも。離れたくないと言われ、求められることに)
11: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:16:48.40 ID:Du4y4HqP0
千聖(離れないと誓ったはいいものの。このままずっとここに居るわけにもいかない)
千聖(このままずっと二人きりで居たいのは山々だけれど、お互い親が心配するだろうし。それとは関係なく、花音のようにか弱い女の子をこんな場所に居させては危険があるかもしれないわ)
千聖(数秒の思案の後。この状況にピッタリな言い訳を思い付く)
千聖(ーー道に迷ったことにしてしまおう、と)
12: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:17:14.73 ID:Du4y4HqP0
千聖(私は電車の乗り継ぎが苦手、花音は方向音痴で迷いがち。普段なら悩みの種となるそれが、今に限っては味方となる)
千聖(花音のせいにするのは嫌だから、電車を乗り間違えたことにしてしまえばいい。私が電車を乗り間違えるのはよくあることだから、きっと誰も疑わない)
千聖(我ながら悪いことを思い付くわね。でも、この笑顔を今だけは私だけのものにしたいから)
千聖「花音、ちょっとスマホ借りるわね」
13: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:17:45.15 ID:Du4y4HqP0
花音「……千聖ちゃん、何送ったの」
千聖(察したらしい花音が、ムッとした表情でこちらを見つめてくる)
千聖(不満げなその顔も素敵だけれど、見ているよりも機嫌を直すのが先かしら。そう思い、彼女の唇にそっと口付けをする)
14: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:18:11.13 ID:Du4y4HqP0
花音「ずっとずっと、離さないで……ね?」
15: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:18:48.90 ID:Du4y4HqP0
ーーファストフード店
彩「えっ、今朝学校に遅刻したのってそれが理由だったの!?」
千聖「えぇ。あんなに可愛い姿を見せられたら、放っておけるわけないじゃない」
花音「ノートまで見せてもらってごめんね、彩ちゃん……私も遅刻はダメだって言ったんだけど」
16: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:19:22.49 ID:Du4y4HqP0
花音「私それ、全然覚えてないんだけど……ど、どんな風に甘えてたの?」
千聖「そうね……私は先に目が覚めていたのだけど。花音の背中を撫でたら、花音が手をギュッて掴んで離してくれなくて。私の腕を抱き締めたり、匂いを嗅いだり、頬擦りしたりしてたわね」
彩(あっ、やば)
千聖「そのまま腕にキスとかしてくれたりして。ちょっと強くて跡が残っちゃったけど、花音のものって印を付けられたと思うと嬉しくて……」
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