3: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/09/16(月) 22:49:46.13 ID:ajLiiV4A0
そうこうしている内に、目的の社用車が駐車してある場所に着く。
ドアのロックが解除される音を待って、その後に助手席に乗り込んだ。
「お昼どうする?」
「もうそんな時間かー。あっ、でも花束抱えたままお店入るのもなぁ」
「それもそうか。んじゃ、とりあえず事務所にしよう。事務所ならきっと花瓶もあるよ」
「あー。あるな。絶対」
二人ほど花瓶を持ち込んでいそうなアイドル仲間の顔を思い浮かべて、プロデューサーさんの言葉に頷いた。
「そういえば、奈緒は午後からの予定とか大丈夫?」
「んー。特にねーかなぁ。午前の収録の終わりが読めなかったから空けたままにしちゃってさ」
「そうか……。なんか申し訳ないな」
「いーっていーって。プロデューサーさんのせいってわけじゃないし、それに一ヶ月前から決まってたことだろー?」
「お昼はちょっと良いもの、ご馳走しよう」
「あはは。じゃあ、期待しとく!」
ゆるやかに流れる窓の外の景色に視線を移し、さぁ何をリクエストしてやろうか、とぼんやり思考を巡らす。
いつも「何が食べたい?」と聞かれた際には割と即答できるのに、誕生日のお昼ご飯となるとなんだか悩んでしまって、なかなか答えが出なかった。
そうして、結局何にするか決まらないまま事務所に着いてしまうのだった。
13Res/13.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20