2:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:31:39.56 ID:QSLC9P+h0
コンビニの前でたむろするタイプとは思えない、大人しい、悪くいえばオドオドした風な少女が佇んでいた。
(小学、いや中学生か。てかチチでかいな。ぼくが中学の時よりでかいかも)
ボリュームのある黒い髪を背中まで伸ばした少女は時々キョロキョロとあたりを見渡したりスマホをいじったりしていて、移動する様子はない。
3:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:32:46.40 ID:QSLC9P+h0
ポテトチップスにコーラ、あと適当に新商品のお菓子類。
今日は徹夜でライブ映像を見るんだから不健康でも許される。
(今日のぼくは最強かもしれない)
4:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:33:58.03 ID:QSLC9P+h0
ほんの少しだけあった気がかりもこれで解消されて、少女のそばを通り過ぎ、りあむは帰路へと歩みを進める。
一歩、二歩、三歩。
(…………あれ?)
5:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:35:01.30 ID:QSLC9P+h0
そう思いつつも、思うがゆえに、りあむはあの少女について考えてしまう。
自分と同じようにジロジロ見られるような体型で、自分と同じようにおどおどしてそうな、自分よりも年下な少女。
一方的な感傷だが、あの少女がそういうことに手を出しているように思えない。
6:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:36:06.41 ID:QSLC9P+h0
視線の先には少女がいて。
向かいにはスーツ姿の男性がいて。
男性は「じゃあそろそろ行こうか」と言って。
7:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:36:59.65 ID:QSLC9P+h0
「むりむりむりむり!やむ!めっちゃやむ!!」
「なんでぼくこんなことしてんの!?大丈夫かぼく!?頭とか!もうやんでる!?」
「あああ、どうしてこんなことしてるんだろう!女の子を助けるとか、そんなのぼくのキャラじゃないのに!わかってる!よ!」
8:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:38:55.01 ID:QSLC9P+h0
「ぜひー……ぜひー……おえっ」
「だ、大丈夫ぅ?」
少女は両目に涙を浮かべながら、心配そうにこちらの顔をうかがっている。
9:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:40:30.03 ID:QSLC9P+h0
りあむ休憩中。
どうにか戻さずにすんだので、一呼吸を置いてりあむは少女に言い聞かせる。
「あのね、さっきのスーツの人みたいなのは危ない人なんだよ。だから、もし話しかけられても」
10:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:41:19.40 ID:QSLC9P+h0
「すいませんっした!!」
りあむ土下座なう。
なんとスーツ姿の男性はロリコン変態援交野郎、ではなくアイドル事務所のプロデューサーだった。
11:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:42:27.12 ID:QSLC9P+h0
「あの、ホントごめん。くるみちゃんも」
「ううん。くるみの方こそごめんなしゃい」
必死の土下座の結果、どうにか二人には許してもらえた。
12:名無しNIPPER[saga]
2019/09/15(日) 11:43:35.00 ID:QSLC9P+h0
プロデューサーは何か思いついたようにして、それからぼくにコンビニの袋を渡してくれた。
「これ、一応中身はそのままのはずだ」
「え!?これわざわざ拾ってくれたの!?ありがとう」
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