3: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/09/13(金) 22:23:07.06 ID:dClKCXRA0
「わかった」
「何が?」
「俺が、凛の考えてることを当てられたら以心伝心になるわけだ」
「さっきの理屈で言えばそうなる、のかな」
「だから、これから凛の考えてることを当てます」
「……まぁ、やるだけやってみたら?」
「よし。じゃあ、何か果物を一つ思い浮かべて」
「くだもの? うーん……はい。いいよ」
「りんご!」
「残念。みかんだよ」
「………………」
「っていうか、別に以心伝心じゃなくたって問題ないでしょ?」
「えー、だって凛にはわかるのに俺にはわかんないの悔しいし……」
「私も全部わかるなんて言ってないよ。さっきのはプロデューサーが変なこと言い出すタイミングがなんとなくわかる、って話でさ」
「それでもやられっぱなしなのはなんか嫌だろ」
「そういうもの?」
「そういうものだって」
「でも、プロデューサーにもそういう感覚、あると思うけどね」
「例えば?」
「例えば……ほら、私がちょっと調子悪いな、みたいなのすぐ気が付くし」
「あー、そっか」
「ね。だから、これは能力とかそういうのじゃなくて、なんて言ったらいいんだろ。うーん。ほら、経験則、みたいなものじゃないかな」
「なるほどなぁ。しっくりきたかもしれない」
「納得した?」
「した」
「それにしても、なんで夏目漱石のあれ、言おうとしたの?」
「……なんとなく」
「…………ふぅん」
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