モバP「8:01am 海を見た」
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3:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 19:56:53.19 ID:W6D0RAKy0
いつも通りに準備をして、いつもより遅い足取りで駅へ向かったら、いつも乗る電車がギリギリ発車するところだったので慌てて。

「…………」

でも足は動かなくて、そのままドアが閉まるのを眺めていた。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 19:58:21.32 ID:W6D0RAKy0
いったん深呼吸をして、気持ちを整える。

何故か今日はおかしいけれど、それも事務所につけば治るはずだ。

だから次の電車に乗ろう。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 19:59:24.14 ID:W6D0RAKy0
「……はっ」

自嘲気味な笑いが出てしまう。

たしかに次の電車に乗ると決めたけれど、ここであの反対方向の電車に乗ったら、それこそお笑いじゃないか。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:00:19.81 ID:W6D0RAKy0
すぐに電車を降りて、逆方向の電車に乗るべきなのだろう。

するべきことは頭ではわかっているけれど、もう俺にはそんな気力はなかった。

葛藤することに疲れてしまった。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:01:27.52 ID:W6D0RAKy0
電車がスピードを落としていく。

また知らない駅に止まるようだ。

ドアが開いて、人が数人降りていく。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:02:42.17 ID:W6D0RAKy0
少女は俺の正面の席に座った。

「……!」

改めて少女を見て、俺は内心驚いた。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:03:48.40 ID:W6D0RAKy0
あまり少女の顔を見るのもよくないので、また眠るように足元を眺めることにした。

ああ、ダメだ。

事務所に行っていないことに加えて、目の前の逸材をスカウトしていないことがさらなる重しになった気がする。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:05:02.66 ID:W6D0RAKy0
「降りないの?」

少女の問いに答えようとして、固まる。

このまま電車に乗っていれば、電車は反対方向に、つまり事務所の方向へ再び走り出すだろう。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:06:16.42 ID:W6D0RAKy0
「海……」

言われてみれば、潮の香りを感じる気がする。

「海は好き?」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:07:16.03 ID:W6D0RAKy0
少女のすぐ後を追うように、知らない道を歩く。

自然と並んで歩くようになっていたが、互いに無言だった。

だんだん大きく聞こえてくる波音で充分だった。
以下略 AAS



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