10:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:05:02.66 ID:W6D0RAKy0
「降りないの?」
少女の問いに答えようとして、固まる。
このまま電車に乗っていれば、電車は反対方向に、つまり事務所の方向へ再び走り出すだろう。
俺にとっていつも通りの方向に。
もともと、どこかに行きたくてこの電車に乗っていたわけじゃなかった。
だったらもう、充分なんじゃないか。いつも通りに戻るべきじゃないか。
俺にとって向かうべき場所は事務所以外ないのだから。
「あのね」
しかし俺の思考に割り込むように、少女の声がする。
「ここから海に歩いていけるんだよ」
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