少女「お兄、すき」男「そうか」
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98: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/09/24(火) 04:14:32.86 ID:UvSy/elD0

薬屋「幸い、薬の創造に成功すれば莫大な報酬は約束してくれたからな。傭兵を続けるお前を金で雇い、一生尽くしてもらおうとでも考えていたさ」

薬屋「…だけど5年前、状況は一変した」

薬屋「男、お前の家族が殺されたんだ」

男「………」

薬屋「生きる気力すら失くした痛々しい姿の男を見るのは私もキツかったが……同時にチャンスだとも思った」

薬屋「今度こそお前を手に入れようと」

薬屋「……けどやはり、お前の眼中に私はいなくて……いつの間にかふらっとどこかへ消えていた」

薬屋「だからこの前、男が戻ってきてくれた時は本当に嬉しかったよ。久々に顔を合わせたところでお前に対する気持ちは何も変わっていなかった」

薬屋「お前が好きだよ、男」

男「……薬屋……」

薬屋「まぁ、この再会は必然だったわけだけどね」

薬屋「長い年月をかけて研究してきた肉体強化薬。その投薬実験の最終段階では、実戦データを取る必要があった」

薬屋「何せお偉いさん方は戦争に使う気満々なものだからさ」

薬屋「だから適当な動物に投与をし、戦ってもらうことで、そのデータを採取したんだよ」

薬屋「相手には、確実に被験体を葬る実力を持つ人間……男、お前が選ばれた」

男「民間人に被害が出ているんだぞ。あまつさえ国際法規に反する実験だ」

薬屋「戦争を起こそうとしてる国が今更そんなことを気にするはずがなかろう」

薬屋「……この薬の最初の被験体はね、人だったんだよ」

男「……お前……」



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