少女「お兄、すき」男「そうか」
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97: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/09/24(火) 04:13:40.88 ID:UvSy/elD0

薬屋「……男、この国は平和だよな?」

男「…?そのようだな…」

薬屋「国民なら誰もが口を揃えて言う評判だよ。間違っちゃいない」

薬屋「──表向きはね」

薬屋「なぁ、他者よりも優位に立とうとするのが人の性(さが)なのに、どうしてそれをしようとしない国があるのだろうな?」

男「……」

薬屋「…そんなわけがなかったんだよ。結局はこの国も同じだ。出来ることなら他所を蹴落としたい。自らが頂点に立ちたい」

薬屋「この国はね、戦争を始めるつもりなんだ」

男「…ここにまともな兵が居るようには見えないがな」

薬屋「その通り。そこで……」

薬屋「…私に白羽の矢が立ったのだよ」

薬屋「男に助けられ、この国で保護されてからすぐだった。ある時本国のお偉方が私を訪ねてこう言った」

薬屋「人間の肉体を極限まで強化する薬を作ってくれとな」

薬屋「お願いという体で来ていたが、あれは脅しだよ。断れば私の居場所は保証しない、というね」

男「……肉体の強化……」

薬屋「そう。お前も散々見てきただろ?異常に筋肉が発達したもの、理性を失い暴れ狂うもの……臨床実験の被験体どもを」

男「…なぜそんな奴らに手を貸す前に俺に言わなかったんだ。知っていれば、またお前を連れて…」

薬屋「お前には既に別の居場所があった!」

薬屋「お前の隣に立つ、女という名の居場所。そこに私の入る隙間など1ミリたりともない」

男「……」

薬屋「……だから私は、お前を買うことにしたんだ」



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