反物質男「またお前に会えて嬉しいよ」対消滅女「……なにカッコつけてるのさ」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/09/07(土) 01:29:04.17 ID:qoKz8IIqO
「ちょっと! 大丈夫!?」
「ん……僕っ娘か?」
「良かった。すごい音がしてぶっ倒れたから、死んでしまったんじゃないかと思ったよ」

目を開けると僕っ娘に膝枕をされていて。
口は悪くても心配してくれたらしく、不安で今にも泣きそうになっている彼女の顔を見て、ああ、元の世界に帰って来たんだなと思った。

「またお前に会えて嬉しいよ」
「……なにカッコつけてるのさ」
「別にいいだろ、こんな時くらい」

今思うと、全て夢だったのかも知れない。
あんな非科学が世界が現実である訳がない。
実際のところ壁をすり抜けることに失敗して、したたかに頭を打ち、昏倒して体感的に数週間に及ぶ悪夢を見ていたに過ぎないのだろう。

その方がずっと現実的だ。
きっと、そうなのだろう。
それならそれで良かった。

「お前にまた会えて、俺は嬉しい」

こうして僕っ娘とまた会えるなら何でもいい。
同じ台詞を繰り返し、ただ喜びを噛みしめる。
それだけで、良かった。それが、嬉しかった。
それ以外のことなど、全て瑣末な問題だった。

「そう言って貰えると、僕も嬉しいけどさ……」
「なんだよ」
「どうして君は全裸なんだい?」

言われて気づく。俺は全裸だった。しかし。


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