高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「9月5日のその後に」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/09/05(木) 18:39:11.96 ID:w/xsIxLY0
かち、かち、と時計の音が聞こえます。
緩やかな時間を教えてくれるカフェの音も、今日だけは、今日という日が終わるまでのカウントダウンをしているように聞こえてしまいます。

「……加蓮ちゃん」
「……、」

私が名前を呼ぶと、頬杖をつく加蓮ちゃんは左目だけをちらりとこちらへ遣って、だけど何も返してはくれません。
ここに来てから30分ほど。
ずうっと外を見続けている加蓮ちゃんと、抹茶ラテをかき混ぜている私。
……今日をもって、また同じ年になったとは思えないほど大人びた横顔を眺めているだけの時間は、嫌いではありません。できることなら、カフェが閉まっちゃう時間までずっと見ていたいくらい。

だけど……お話しなくてもいい時間は、そろそろ終わりにしなきゃ。
本当に何かに悩んでいる時、加蓮ちゃんは何も話さなくなって、本当に何か辛いことがあった時、加蓮ちゃんは目も合わせなくなってしまいますから。

……加蓮ちゃんだって、話したがっているハズだから。

「……みんな、おめでとう、って言ってくれましたよね」
「……そだね」
「途中から、大はしゃぎで、いつものパーティーみたいになっちゃいましたけれど。でも加蓮ちゃん、いっぱいプレゼントをもらいましたよね」
「……ん」


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