吉田春「便器の子?」水谷雫「ハル……あんたどんな耳をしてるの」
1- 20
4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/09/01(日) 22:20:18.52 ID:zHu/paS2O
「よし、わかった。それなら仕方ないな」
「うん。わかってくれたなら、良かった」
「俺がお前のチケット代を払ってやる」
「は?」

(失念していた。ハルはこういう人だった)

改めて彼は頭がおかしい人物であることを再認識して、雫は頭痛を堪えながらも再度断った。

「私はいかない」
「チケットは俺が買ってやるから来い」
「チケットを買ってもらう筋合いはない」

そんな当たり前のことを雫が冷静に主張すると、何故か春は照れ臭そうに鼻を掻きながら。

「だってその方がなんかデートっぽいだろ?」
「はあ?」

(いつからデートになったんだ)

まるで想定外の発想をする吉田春の考えが理解出来ず、それでも彼がこちらに好意を抱いていることは口頭で何度も耳にしているので、雫はしばらく迷ってから、今回はその好意に甘えてみるのも良いかと思ってその提案を飲んだ。

「……奢ってくれるなら断る理由はないけど」
「なら決まりだな! 週末、楽しみにしてる!」

(ハルは将来、悪い女に騙されそうだな)

いかにも嬉しそうに破顔した吉田春の無邪気な笑顔がなんだか眩しくて直視することが出来ず、自分のことを棚にあげて単純すぎる吉田春の行く末を心配しながら雫はそっぽを向き、諦めずに誘ってくれた彼にほんの少しだけ感謝した。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
10Res/14.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice