吉田春「便器の子?」水谷雫「ハル……あんたどんな耳をしてるの」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/09/01(日) 22:15:18.36 ID:zHu/paS2O
「なあ、雫」
「なに?」

その日の帰り道。
いつものように雫の後ろをついてきた吉田春と2人で下校をしていると、不意に尋ねられた。

「ほんとに映画観にいかないのか?」
「いかない」

既に終わった話を蒸し返されるのは嫌いだ。
故にそれ以上言葉を重ねる気はないという意思表示を兼ねて雫はにべもなくばっさりと切り捨てたのだが、吉田春は諦めが悪かった。

「一緒に行こうぜ」
「やだ」
「理由を言え」
「お金が勿体ないから」
「ケチ」
「うちは貧乏なの」

貧乏とはいえ、母親の稼ぎもあってそこまで困窮しているわけではない。優先順位の問題だ。
映画代と参考書代。どちらにお金を使うのかと問われれば、水谷雫は迷いなく参考書を買う。

それは言うなれば明確な価値観の違いであり、いかに常識外れな隣の怪物くんであってもこの一線だけは容易に越えられないだろうと雫は思っていたのだが、彼はあっさりと乗り越えた。


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