吉田春「便器の子?」水谷雫「ハル……あんたどんな耳をしてるの」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/09/01(日) 22:12:42.38 ID:zHu/paS2O
「ミッティの鬼! 悪魔! 雪女!」
「そんなに怒ってどうしたの、夏目さん」

騒ぎを聞きつけたササヤンくんこと佐々原宗平が近寄って来て、泣き喚く夏目さんに尋ねた。

「ミッティが酷いんですよぉ!」
「まあまあ、落ち着いて。あれ? もしかしてそれ、今やってる映画のパンフレット?」
「はい! 今話題の天気の子です! ミッティを誘って一緒に観ようと思ったのですが、辛辣にフラれてしまいまして途方に暮れてたんです……」

(そんな哀愁を漂わせるようなことだろうか)

ドライな水谷雫をよそに、ササヤンくんにパンフレットを見せながら悲劇のヒロインみたいにシクシク涙を流す夏目さんの話を横で聞いていた隣の席に座る怪物くんが、興味を抱いた。

「便器の子?」
「ハル……あんたどんな耳をしてるの」
「違います! 天気の子です!」

一体どんな耳をしていればそのような下品な聞き間違いが出来るのかと雫は困惑し頭を抱え、夏目さんは即座に全力で否定し、訂正をした。

「便器の子ってなんだか面白そうだね」
「ササヤンくんまでふざけないでください!」
「よし、夏目。俺とその便器の子って映画を観に行こうぜ! なんかすげー面白そうだ!」
「だったら俺も今週末部活休みだから行くよ」
「ほんとですか!? でも一緒に映画を観に行くからって私のことを好きにならないでください。迷惑ですので。あと、便器の子ではなく、天気の子です!」

いつもの好きにならないでくださいという前置きと繰り返しの訂正をする夏目さんは一緒に映画を観に行く相手が出来たことでようやく泣きやんで、笑顔が戻り、機嫌を回復させた。


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