【ゆゆゆ】大門大は喧嘩番長である【デジモンセイバーズ】
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13: ◆BHtXRZieJ2[sage saga]
2019/09/01(日) 23:17:12.48 ID:HkO0ZzqI0


「兄貴、誰もいないぜ」

「クソッ、どこ行っちまったんだよ、友奈…」

友奈の捜索を続ける東郷らは、友奈のスマートフォンの反応を頼りに彼女の自宅を訪れていた。
しかし、そこに友奈の姿はなく、彼女の端末が残されているのみだった。
手詰まりの状況の中、東郷が思いつめた表情で大に自身の胸の内を語り始めた。

「大さん。私、なんとしてでも友奈ちゃんの事を助けたいです…」

「ああ、分かってるよ。友奈は大事な勇者部の仲間だもんな」

「いえ、もちろんそれもあるんですけど…なんて言うか、その…」

東郷が頬を赤らめ、身悶えしながら言葉を濁す。
まるで恋する乙女のごときその姿に、大もようやく東郷の胸中を察する。

「お前、もしかして友奈のこと…」

東郷が無言で、目を伏せたまま静かに頷いた。
以前から大も、友奈と東郷は勇者部の中でも特に仲がいい二人だとは感じていた。
だが、まさか東郷が友奈に恋心を抱いているとは予想外であった。
大は東郷に穏やかな話しかける。

「そうか…俺は恋だの愛だのとは無縁な人生を送ってきたから、偉そうにアドバイスなんて出来ねぇ。
 けどよ、誰かを好きになるのに、男も女も関係ねぇんじゃねぇのか?
 もちろん、その恋が必ず実るとは限らねぇ。女同士だから引き目を感じてるのも分かる。
 けど、『これだ』って思えるもんがあるなら、人の目ばっか気にしてちゃ損だろ?
 それによ、付き合い仮に断られたとしても、その程度で親友としての関係が壊れちまうほど、お前と友奈の関係はヤワなもんなのか?」

「いえ…」

「だろ?だったら、もう悩む必要はねぇ。当たって砕けろ、だ!
 その為にも、まずは絶対に友奈を助ける。そうだろ?」

「大さん…はい!ありがとうございます!」

瞳に活気と力強さが戻った様子の東郷に、大は安堵の笑みを浮かべる。

「やっと調子が戻ったみてぇだな。それでこそ勇者だ!
 男の…いや、人間の人生は常に命がけ!失敗を恐れた時点で、そいつは既に…」

「兄貴!兄貴〜!」

「んだよ、アグモン!人がカッコよく決めようって時によ!」

「ゴメンよ兄貴。けど、コレ見てくれよ!」

友奈の自室を捜索していたアグモンが、大と東郷に一冊のノートを差し出す。
開かれたページには、友奈の筆跡でこう記されていた。

皆、色々ごめんなさい。
私は行きます。

「友奈ちゃん…まさか、神樹様の…」

東郷が友奈の行方を察した直後、彼女のスマートフォンの着信音が鳴り響く。
画面に表示された名前は園子のものであった。

「そのっち!?何があったの!?」


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