6: ◆yufVJNsZ3s
2019/08/19(月) 22:25:50.03 ID:G6ax3z7W0
視界の焦点が段々と定まっていく。先頭に、男性。白いシャツに徽章の金が眩しい。その隣には先ほどの子供。こちらと男性を交互に見やっている。
その後ろに、さらに二人の女性。片方は黒髪長髪で、眼鏡をかけた、清楚な雰囲気。もう片方は銀髪で凛とした佇まい。
「おい、あんた、名前だ。自分の名前はわかるか」
「……」
名前。名前。私の。
「意識に混濁がまだあるか?」
「状況の把握に戸惑っているだけではないのか?」
「鎮痛剤のアンプル、一本持ってきますか?」
「まずこちらの素性を明かしてからでないと、警戒されてしまいませんかね」
話し合っている。なにかを。私のこと? 処遇?
敵性攻撃群でないのは明らかだった。となれば、あぁ、私は助かったのだ、誰かが助けてくれたのだと、ここでようやく心の底から安心できる。その実感のなんと重みのあることか。
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