33: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/22(木) 00:15:41.61 ID:ihyj2nok0
母親が死んだのは私たちが八歳の時で、後妻がやってきたのがその三年後。私たちが高校へ上がると同時に父親も倒れて、私たちは後妻の実家へ移り住むこととなった。
共同体の中に、異物がふたつ。
そこでは私たちは家族ではなかった。ただ単に、よそ者だった。
叔父からの性的な視線。一回りも年の離れた相手との見合い話。生理用品を買うのにすら領収証を貰わなければならない狂った生活。
それでも大丈夫だった。耐えられた。姉さまの至言があったから。
こんな不幸に満ちた世の中なんて。
一人では決して生きていられないけれど。
私には姉さまが、姉さまには私が。
姉さまがいれば、それだけで。
姉さまと二人でいられれば、それだけで。
よかったのに。
247Res/192.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20