237: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/22(日) 14:07:16.21 ID:S0LjOGb+0
「……私だって、そうよ」
裏切られたり、いいように使われたり。そんなものには飽き飽きしている。
結局のところ私たちなぞ一介の兵士でしかないのだろう。大局的な視点を持たず、右往左往するだけの愚かな生き物。少なくとも、一部の上層部はそう考えているに違いない。
そうでなければ、私も、不知火も、大鷹も、ここにはいない。
「腹が立つわね」
零れた言葉に、不知火が怪訝な目でこちらを窺ってくる。
業腹だった。実に、業腹だった。それは。
この世にはどうしようもないことが数多く、本当に夥しいほどあって、だから古今東西問わずにこの世の理不尽や不条理を描いた絵、唄った詩が山積している。それらは時代と人によってさまざまで、社会構造や身分階級、性別、成功と失敗、
……幸運と不幸。
どうしようもないことをどうしようもないとして生きていくのは、実に簡単なことだった。全てのあらゆる困難に立ち向かうことは、恐らく、熱量的に不可能だから。
それでも――それだからこそ、私は幸せを求める。
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