216: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/21(土) 10:58:22.80 ID:pQ00XHC/0
「あ」
先客がいた。こんな夜更けだというのに胴着さえ身に着けて、弓を構えている。確か夕食時は私服だったはずだ。また着替えたというのか。
さきほどの人影の正体がわかると同時に、一体なぜ、なにをしにここへ、といった疑問が湧いてくる。彼女は夕食後の宴会を早々に退散していたはずである。酔い覚ましとは考えにくい。
彼女もまたこちらに気付いたようだった。ちらり、視線だけをやって、射形は崩さない。
的がなくても射られるものなのだろうか。ベンチに座って、加賀を見る。
「……なに?」
「あぁ、ごめんなさい。気が散る?」
「用事があるわけではないの?」
「酔い覚ましの散歩。邪魔になるようだったら場所を変えるけど」
「お願いできる? わたし、あなたちのことが好きではないみたいだから」
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