115: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/14(月) 21:37:27.34 ID:UFSxYV+50
「窮屈だったわ。身動きもあまりとれなかったから」
「そうですか。体の調子はどうです? 生活に支障なくとも、本調子ではないですか?」
「そうね。でも、こればかりはどうにもね。動かなければ動かないで、余計鈍ってしまいそうだし……」
手を握り、開く。問題はない。肩も、肘も、膝も、足首も。ただ、ときたま大きく呼吸をすると、咽てしまうことがあった。
「これからどうしますか? 予定していた時間までは少しあります。札幌駅や狸小路やらで時間を潰すのはありですが」
「出発は、明後日、だったかしら」
「はい。現在、母艦『しおさい』は室蘭から函館に移動しています。札幌からは電車で三時間といったところでしょうか。生活必需品を揃えるよう、後藤田提督からは仰せつかってます。あ、勿論経費で落ちますんで、ご心配なく」
大淀は眼鏡のブリッジを中指であげた。出処の不明な自信が顔面に貼りついていた。
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